題:ギリシア発のアクション映画/吹き替え版が秀一
製作:1990年、アメリカ
原題:Hired To Kill
監督:ニコ・マストラキス
CAST:ブライアン・トンプソ(ライアン)、ジョージ・ケネディー(実業家)、オリバー・リード(バルトス)
7人の女囚コマンドの紹介:下記にて
シーラ…ブロンド。小顔。前髪に特徴あり。リーダー格。アメリカ人?
ダフネ…ブルネットのロングヘア。お嬢さま系。スタイル抜群。スペイン系か?
ジョアンナ…元CIA。ショートカット。イタリア系か?
シヴィ…クール。気性が荒い。レズっぽい。葉巻を咥えている。
カトリーナ…ロシア系?眼が大きく、巨乳で可愛い。口がきけない。
ダリア…元モサド。別名ジェリコ。
アナ…悪役の愛人。黒髪に青い眼の美人。メイクとスッピンのギャップがスゴい。
※女囚コマンドが7人なのは『荒野の七人』のオマージュか?
90年~2000年代を過ごした映画ファンには懐かしい一本のではないだろうか?
私はテレ東の「午後ロー」や「日曜洋画劇場」でお世話になった世代。
約20年ぶりに鑑賞したが、なかなかよくデキた映画だと思った。
女囚コマンド…囚われの身のワケあり美女たち。
リクルーティングシーンで彼女たちの生い立ちや性格が面談形式で紹介される。AVのオープニングみたいだ。
戦闘訓練シーンおよびファッションショーのリハーサルはモンタージュで描く。
なかなかスマートな語り方だ。
語るとキリがない作品なので4つにまとめてレビューします。
1.ギリシャ映画
映画はギリシャのオメガ・ピクチャーが作っている。
監督を含めてスタッフもギリシャ人が多く、ロケ地はギリシャのケルキラ島とのこと。
映画の舞台の“サイプラ=Cypra”は架空の国家との設定であるが、“キプロス=Cyprus”だとだと思われる。
キプロスはギリシャの東に浮かぶ地中海の島国だ。
女囚コマンドのシヴィがトルコの刑務所に服役、ダリアが元イスラエルのモサド、カタリナがイタリーの精神病院に入院していたり、
ロケ地、映画の舞台、登場人物の出身といい、全てがオメガ・ピクチャーが所在するギリシャ周辺域に収まっている。
2.ギャグ
ちょいちょいと挟まれるギャグがいい。
・英語が不得手な仲間が「朝飯前=piece of cake」を何度も言い間違う「天丼ギャグ」。
・ライアンは凄腕の傭兵であるがネクタイの締め方を知らない。
・女コマンドのキャットファイト。
・ライアンが偽装オネエだと見破られないための危機対応。
3.吹き替え版の妙
テレビ放映しか観たことがなく、字幕版+オリジナル音声は初めてであった。
吹き替え版は秀一で、全く別の作品と言っても過言ではない。
ライアン役は大塚明夫さん。オネエ口調が絶妙。
小林清志さんはバルトスのあの顔にぴったり。
女囚コマンドたちも各々の個性に合わせた声の配役であり、プールサイドでのキャットファイトシーンは白眉である。
オリジナルにはないアドリブの台詞もちょいちょい追加して、作品を盛り上げている。
アテレコの妙だと思った。