山奥のキャンプ地に避難してきたハスキン一家。
森の廃墟を根城に旅行者を襲う、狂気の殺人者集団。
怪物伝説を調査に来た、変わり者の動物学者。
彼らが遭遇したのは、突如地中から出現した巨大怪獣“ミレニアム・バグ”だった…。
1000年に1度目覚めるという伝説の怪物が襲い掛かるモンスターパニック。
本作観て、冒頭で確認したのが製作年。
あれ、2011年だな。
でも舞台設定は1999年12月31日。
懐かしのY2Kが話題になった頃であります。
2011年製作ってのがミソ。
何年あたためていたのか、この企画。
原題『ミレニアム・バグ』はY2Kを指しますが、おそらくはダジャレ的な解釈で1000年に1度の怪物としたのでしょう。
ストーリーを簡単に説明すると、「森にやって来た家族が殺人鬼一家に襲われる。しかしその森にはもっと恐ろしい怪獣が眠っていた」と言った感じです。
最初のあたりの『悪魔のいけにえ』『ヒルズ・ハブ・アイズ』的な展開に、あれ?モンスターってそういう意味?……と思いきや、後半は間違いなく“モンスター映画”になっていきました。
最初の方こそ「これ盛り上がってくの?」と心配でしたが、結局なんだかんだで最後まで見ちゃう。
イカレポンチ一家だけでも手一杯なのに、モンスターまで出ちゃうもんだから、そらもう大変ですよ。
製作は「NOCGIFILMS」というフィルムスタジオです。
その名前通りCGを使わず特殊メイクと着ぐるみで製作されているというところがすばらしい。
そんなわけで、ミレニアム・バグ(怪物)の造形が素晴らしいです。
四足歩行で顔はハエを彷彿させ、背中にはステゴザウルスの様なとげが生えてカメレオンのように伸びる舌を持っています。
コイツが民家を破壊しながら暴れ回る姿は、着ぐるみだからこそ出せる重量感が出ていました。
ゴア描写も手作り感あふれる特殊メイクなのも好感持てます。
ただ、冒頭は登場人物が半端に多くてゴチャっとしているが、すぐに少人数になってしまうため、何のために多めに配役したのか謎である。
退場の仕方も雑であった。
とはいえ、キチ〇イ一家が繰り広げるホラーパート。
怪獣が大暴れするモンスターパート。
その両方がしっかり作り込まれている、オススメの超大型地雷作品でした。
アナログ感漂うモンスターパニックが好きな方ならぜひ。
ちなみに日本版のジャケットは似てますが、『デビルズ・フォレスト』とはまるで関係ないのでお間違いのないように。