スプリングス

ヴァリデーション(原題)のスプリングスのレビュー・感想・評価

ヴァリデーション(原題)(2007年製作の映画)
4.2
〈/[VALIDATION→]/〉

【Introduction】
[承認-validation-]
...対象となる物事が《正当》または《事実》であることを認めることをいう。
今作の場合その対象は、人間だ。
認められたい欲求、というのは人間誰しもが抱えているものである。
認められたいから《Web Log》があり《Twitter》があり《Facebook》があり《Instagram》があるのだと僕は思っている...もちろんそれが悪いことだとは言わないし、言えない。
もしかしたら人間の中に[承認欲求]のようなものが潜在的に存在しているのかもしれない。
〔本能に承認欲求が組み込まれている〕ということは、かつて人間の生存に《承認》が必要だったということではなかろうか。
〔他者による自己の存在証明〕...自己の有用性をアピールするということは群れからはぐれない為にとても大切なことだったのだろう。
────だが、人類は増えすぎた。
現在進行形で起こっている人口増加によって〔認められたいのに認められない〕という人数が無慈悲にも増え続けているのだ。
今はSNSがその満たされない欲求のはけ口となっているが、それもいつまでもつだろうか。
今の人類には、今作の主人公『ヒュー』のような《救世主》が必要だ。

【Review】
どうも、、いまだに『RWBY Volume3』で受けたダメージを引きずっているスプリングスです。
(あれから1カ月が経ったというのにまだ立ち直れていない豆腐メンタル野郎です)
またまたYouTube作品のレビューです。
...今作、サイッコーっすよ!!
ララランド好きにオススメというか、、いやもうこれは万人に勧めちゃおう!16分でここまで魅せられ満たされるとは夢にも思わなかったなぁ。。
主人公が他人を褒めちぎることで世界平和が実現するという突飛な展開の前半と、唯一褒められても無感動だったヒロインと彼女に振り返ってもらいたい主人公との恋物語というコンパクトな後半とが良いバランスで構成されていまして、、満足度が普通の尺の映画を観た時と変わらないのが凄いです!!
他の恋愛映画に16分の尺で張り合えています...ホントスゴイヨ、、。
ミュージカルの要素もあるし何よりサクサク進むので楽しく鑑賞出来るかと思います!
世にも奇妙な物語っぽい世界観なのでその方面が好きな方にも気に入ってもらえるかと。。
(※ホラーではありません)
...ただ、あんなに褒めて褒めて褒めてを繰り返していると《褒め言葉の価値》が落ちるのではないかという危惧も少しあったりして(^_^;)...。
(そんな深く考えるとこじゃないですがね、笑)

【digression】
今作ではvalidation=承認というふうに訳されていましたが、調べてみるとvalidationは確認・認可の訳の方がよく出てきました。
[認可-にんか-]のほうがしっくりくるような気はしますが、[承認-しょうにん-]は発音した時に耳に心地よい響きがあるので承認に訳した翻訳家さんは(字幕の文字数が時間の割に多いので字幕を追うのが大変だというのはさておき)優れた方だと思います。