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良質なショートフィルムを観ると長編映画を観たような気分になることがあるが、この作品は本当に一本の映画のようだった。
とある駐車場の受付で勤務している主人公の男は、出会った人々の外見や内面などを褒め相手の存在を承認していく。
その活動を始めたことにより、世間から『承認者』として注目を浴びるようになる。
自身の存在理由を自分の力で見出せず、その証明と承認を他者に求める人は多い。
挙句の果てには他者を否定することでしか自分を肯定出来ないつまらない人間になってしまう。
この作品はそんな現代人のあり方を批判していると思う。
主人公は承認者としての活動をしていく中で、ビクトリアという女性に恋をする。
ストーリー後半の二人の会話で主人公が発した、
「いままで、誰もそんなこと言ってくれなかったよ」という台詞はぐっときた。
今まではまるで聖人君子のような超然とした雰囲気があった主人公も、ただの人なんだという重みを感じた。
マーク数は少ないですがオススメの作品です。