juri

死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実のjuriのレビュー・感想・評価

4.5
ここ10年くらいで安楽死に肯定的な人が日本でも増えた気がして驚いています。私も肯定派ですが、そうなると次の争点になるのはどのレベルの病気の人まで対象にするのかということ。カナダでは精神疾患の患者も適用内になったらしく、生活保護を受けるよりも安楽死のほうが簡単という見方もあるという記事も最近見かけました。きっといろんな利権も絡んでいてこの問題に意見するには知識が足りなすぎる気がしますが、一つ言えるのは人間が神の領域に手を出し始めてるんじゃないかということです。

最近の話かと思ったら、ジャックが自殺幇助を始めたのは1989年からだそう(2011年に亡くなっています)。130人目の患者はALSの症状が進行していたため自分で一酸化炭素のチューブを通すことができず、ジャックが自ら毒を注射します。その差は大きくついにジャックは刑務所に収監されてしまいますが、そのくだりが少し説明不足だと感じました。

ジャックの主張は、そもそも医療行為全体が神の領域であり法律が時代遅れだと。麻酔が発見されてから200年以上使用されなかった理由が痛みは神からの贈り物だとされた非科学的なものという説明は結構ショッキングでした。
‥とはいえ、人間は感情的な生き物ですからね。まだまだ反対意見もあって当然な問題だと思います。
知らなかったことがたくさんあって、とても勉強になった映画でした!
juri

juri