ゆれる木

ドレミファ娘の血は騒ぐのゆれる木のレビュー・感想・評価

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)
4.1
過小評価では。
一人の少女がこちらを見つめるシーンで、その目を一瞬見た時から、ある人の目を思い出した。けれども、少女の目は一重で恐らく睫毛は下を向いているだろう、しかしながらその人の目は二重で睫毛が上を向いていた。それなのに、似ていると直感していた。
その後、少女の口から、吐かれた、呟かれた言葉は、その人が絵に描いていたものと同じだった。驚いた。椅子も描いたし、コップも描いたし、海を描いた。… … …少女の口から溢れた全ての単語の絵を描いていた。そしてそれは彼女の言う通り関係性のためだった。しかし、それはもう描かれない絵なのかも知れなかった。

その少女と、ドレミファ娘の鼻は目よりも大きかった。目よりも鼻の大きい登場人物が多かった。その画面が語る事があった様に思う。

唄で終わるために、序盤にエンドロールする。

本質的で、社会に楔を打ち込むと言った黒沢清らしいと思えた。
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