このレビューはネタバレを含みます
非常におもしろかった。
観てない人はこの先レビュー読まないでほしいです。
観てよくわからなかった人には是非読んでほしい。
非常に潔癖症で一度も恋愛をしたことがない偏屈な性格、趣味は美女の絵画をコレクション。主人公鑑定士ヴァージルは、一切姿を見せないクレアという女性からの鑑定依頼を受ける。そして次第に彼女に惹かれ、心を開いていく…
美しい芸術品の数々と不思議な世界観がとても好み。前半は淡々としているけど、ストーリーが進むにつれて惹きこまれていく!
思い切りネタバレだよ、観てから読んでね?
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心臓の奥の奥からゾワっとした。
スクリーンを超えて、こちらまでとんでもなき喪失感に襲われる。
タイトルからこんなストーリーだなんて想像してないわい。なんならちょっとポップなミステリーかな、ぐらいな感じで見始めたので、嫌な予感はしてたとはいえ、度肝を抜かれた…。
視聴者に委ねるエンディングなのもなんとも。
極度の潔癖症で、人と接することが下手で、性格に難ありな初老の鑑定士ヴァージルの初恋。
クレアとの出会いで、だんだん性格はほぐれてゆく。
しかし、幸せを手にしたかと思いきや、実は全てが詐欺。
恋人も、仲良かった友人も、長年の相棒も、大切にしていた絵画コレクションもない。
孤独な病院生活…
来るはずもないクレアをレストランで待ち続けるところで映画は終わる。
黒幕の画家の相棒に、金銭問題以外で恨まれてたのは明確。(不正落札が失敗に終わったが、買い戻してきた絵画を無償でヴァージルに渡しているので。)
私はめちゃくちゃバッドエンドじゃん…悪いこともしてたとはいえ、つらすぎる…って思ったけど、ハッピーエンド唱える人も多い。
手紙が届いてたし、きっとクレアはヴァージルの元に戻ってきてくれたんだよ、って言われてもなかなかしっくりこなかった。
そんななか、考察サイトでハッピーエンドを裏付ける伏線を見つけたので掲載。
劇中に出てくる、「Honest」という名の、誰が寝ているベッドの横で泣き崩れる女性の絵画。
この絵はUmberto Verudaという画家の『Sii onesta!』という、ものでは実在するもの。
ですが、映画用に描き出されているものがある。
それは "壊れた時計"と"歯車"。
ヴァージルはこの絵画の壊れた歯車に拡大鏡をあててよく見ています。
絵画のタイトルは『Sii onesta!』は、絵の中の女性が自分自身に「正直、誠実でいなさい」と言い聞かせている』意味になるそうです。
これは…!
ハッピーエンドと言い切れるほどではないけど希望があるね。
もう一回観よっと!!!!