ゆずきよ

鑑定士と顔のない依頼人のゆずきよのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.0
あまり事前情報はいれずに観た方が良いと聞いていたので何もせず観ました。
確かにこの映画はネタバレ無く観た方が面白いと思います。

物語は、美術品の鑑定やオークションを生業としている男の元へ両親の遺産を鑑定して欲しいという依頼が入るという所から始まります。
冒頭のレストランやローソクの演出が面白いです。
結末を知ってから観るとこの悲哀も意味を帯びてきます。
依頼人は姿を中々現さず、序盤はこの正体を見破るミステリーなのかと思っていました。
現実に存在しないのか、それとも人前に出れない姿なのか。
中盤頃にそんな事もなく比較的あっさりと登場してから物語は大きく動き出しました。
そこからの展開をネタバレ無しにレビューするのは正直難しい。
あえて言うなら昔何かの映画で観た1シーンで『パスタの食べ方を一生懸命レクチャーしていたら本場のイタリア人が豪快な音を立てて麺を啜っていた』という場面を思い出しました。
あとそうだなぁ…例えるなら自分は隕石だと信じて家宝にしていた石が、満を持して鑑定したら漬物石だったみたいなそんな感じです。
展開として私は『そうだとしたら嫌だな』と思っていた事が現実になった様な気持ちでした。
大きな驚きがあるというわけではありませんでしたけど、序盤の違和感や不快感を回収してくれた感はありました。
何処までが計算だったのか偶然だったのかが気になる所ではあります。
良くあるのは逆の立場なので、視点としては非常に面白いと思いました。
ただもう一回復習したいかと言われると私はそこまででは無いですかね。
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