イチロヲ

ザ・カラテ2のイチロヲのレビュー・感想・評価

ザ・カラテ2(1974年製作の映画)
3.5
格闘技大会の王者となり、世界中の挑戦者を呼び寄せるようになった空手家が、国宝の日本刀強奪を企む犯罪組織と対峙する。沖縄古武術に精通する日系アメリカ人、山下タダシを主役に起用している、カラテ・アクション映画の第2弾。

前作から物語が地続きの続編なので、主人公が最初から失明した状態になっている。常にサイケ柄の布で目隠ししているため、ついつい細工を怪しんでしまうが、座頭市風味のカラテ殺法は好印象を受ける。

いかつい顔の主人公が、持ち前の脳筋と片言の日本語と少ない語彙で、武道の精神を一所懸命に諭してくるため、「ファンキーなオッサンの観察ムービー」という側面あり。役者の不完全な芝居を暖かく見守っていく鑑賞スタイルは、あいかわらずのもの。

総合すると、荒唐無稽な格闘マンガの雰囲気が実写の中に落とし込まれており、わけの分からない面白さに満たされる。日本とのコネクションが強いことで有名なヤン・スエ先生が、筋肉ムキムキのラスボスを演じているところが大きな醍醐味。
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