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夜の終りにのsonozyのレビュー・感想・評価

夜の終りに(1961年製作の映画)
4.0
アンジェイ・ワイダが1960年代当時のワルシャワの若者を捉えた作品。
原題(英題)は「Innocent Sorcerers(無邪気な魔法使いたち)」
脚本は作家イエジー・アンジェイェフスキと後に映画監督になるイエジー・スコリモフスキ(ボクサー役で登場)

Jazzが流れるオープニングクレジット。その背景が、街のビルボード(この映画のタイトル)になり、主人公アンジェイのガールフレンド、ミルカがワルシャワの街を歩くシーンにつながる。
ここで既にやられました。好きなやつです。笑

主人公アンジェイは部屋でシャワーを浴び、髭を剃り、タバコ加えながらミルカとのやり取りを録音したテープデッキを足の指で操作してニヤニヤと聞いてる(変態か?笑)。
せっかく訪ねて来たミルカがドアをノックしても出ないし、何考えてるのか分からん系のナンパ風な兄さん。
彼は体育協会付の医師でボクシングジムの選手の検診を担当しつつ、ジャズバンドのドラム演奏を楽しみにしている。

ある夜のナイトクラブ。同僚のエドモンドがあの可愛い子を何とかしようと誘いかけ、アンジェイはいつの間にか彼女を部屋に連れ込む。
彼女は“ペラギア”、アンジェイは“バジリ”と互いに偽名を名乗り、マッチ箱ゲームなどで朝までの時間を過ごす。

全編に流れるJazz、アンジェイの乗るベスパ風のスクーター、“バジリ”と“ペラギア”のエロくなりそうでならないやり取り、朝方のバンドメンバー達との会話。。
ストーリーはあるようなないようなですが、当時のワルシャワの空気感と“無邪気な魔法使いたち(不思議な魅力に溢れる若者たち)”をモノクロの映像美で堪能しました。

※アンジェイの部屋に、壁から壁に電源延長コードみたいのがあって邪魔そうでやけに気になる。笑
※ジャズバンドのベーシスト役は若き日のロマン・ポランスキーだそう。
※先が読めないラストもいい。
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