'22 2/21 ジャケ写掲載していただきました。
フェデリコ・フェリー二脚本、
【鉄道員】のピエトロ・ジェルミ監督による、同年ヴェネチア
国際映画祭 最優秀作品賞受賞作品で、緊迫の【クライム
・サスペンス】。
サッカー競技場で売上金を強奪した4人の男のその後を追う
…。
犯行メンバーが誰で、集められた経緯等掘り下げを端折り、
極力短尺に切り詰めた印象。
その分、犯行後のドラマに充てられていて、79分ながら
120分くらいに感じた。それは悪い意味の長さではなく、
中身の濃厚(充実)度で。
4人中、犯行は3人で、1人はドライバー、現金詰めたスーツ
ケースは2つ。犯行直後、警察に追われ、車を乗り捨て、
バラバラに散らばって何とか逃げ切るが、、
リーダー的存在の元サッカー選手、パオロ(レナート・
バルディーニ)が、2つのケースの行方を追う。
内1つは、貧乏画家グイード(ポール・ミューラー)が、
ある場所に保管。
もう1つは、独身若造アルベルト(エンツォ・マッジオ)が
持っていて、噴水のある池から発見。
↑
皮肉にもこれが 後々悪影響を及ぼす 展開が面白い。
お目当ての【ジーナ・ロロブリジータ】は、パオロの妻、
ダニエラ役で、少ない出番ながら相変わらず魅力的。
この夫婦には子供はいない。
ドライバーのルイージ(ファウスト・トッツイ)は、妻子
持ち。遠くに逃げて何とか再出発をと考える。
子供がいる、いないで、妻の対応(将来性)の対比が面白い。
ルイージ、グイードの末路は、、
クライム物でも最後の最後までスリルを維持しながら緩急的
役割か、グイードの描いた◯女の肖像画エピソード、犯人らの
家族愛、ラストの親子愛に着地といった、程よいハート
ウォーミングを組み込んでくる贅沢な脚本が上品で、イタリア
らしく素晴らしい‼︎
短尺でテンポ良く展開するが、決して雑でも急ぎ足にも感じ
ない、寧ろ丁寧にゆとりさえ感じる仕上がりは稀で、マジック
的感嘆だ‼︎
老若、犯罪には容赦無い‼︎という警鐘的にも捉えられる余韻。
映画はダラダラさせず、約80分有ればテーマを絞って、
観る物を充分満足させられる、製作出来る証明‼︎