クリムゾンキング

街は自衛するのクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

街は自衛する(1951年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

戦後間も無いイタリアがぶたい。
サッカーの試合に興じる競技場から現金を強奪した4人の強盗が、あるものは恋人に裏切られ、またあるものは些細な諍いから警察に追われ次々に逮捕、または命を落としていく。

70分ちょっとしかないのに短いとは感じず、むしろ時間が短いゆえに必要以上に語りすぎない演出が実にいい。

選手生命を絶たれた元サッカー選手、妻子の愛があるも失業中の男、腕はいいのに困窮生活を送る画家、そして生活苦の学生。
それぞれの境遇に共感できながらもやはり犯罪というものに対し街(の人々)は防衛する。

ラストは「お前が生きてりゃ他は何も要らねえ(要旨)」とお母ちゃんに説得され学生が連行されていくシーンで〆。
結果は散々だけれどこの先の彼のことを考えるとこの終わり方はある意味温かみのあるものでなかなかいい余韻のあるラストだった。