よすぎる。邦画の中で一番好きかもしれない。
何でかわからないけど泣いちゃう。
初めは"あと何日で研修が終わる"とか言ってたのに、
終わる頃にはその日付を聞かれても答えられなくなってた。
次第に森の生活に馴染んできた頃に、
森の匂いに愛着を感じていて、
いざ街に戻った時に彼が匂いに違和感を感じた。
気持ちの描写として完璧すぎる。
初めは広告の写真で外側しか見てなかったけど、
その中に飛び込んでみて、
日々の暮らしを現地の人と共のしながら
その地域の人が大事にしているものに触れる中で、
その場所の匂いに愛着を持つ感じ。
私は居場所に対する感覚として、
匂いは一つの大きなモノサシだと思っていて、
その事が割とはっきり本作で示されていたのが嬉しかった。
割と序盤の長澤まさみさんと
小学校でボールで遊ぶところでなぜか目にゴミが入ってしまって、
そっから最後までずっと目が潤ってしまった。
理由がわからない。
あと、とにかく長澤まさみさんが魅力的すぎる
他のすべての長澤まさみさんの出演作が劣って見えてしまう。
脚本と演出が説明的すぎないし
不自然にドラマチックにする感じもないのがいい。
かと言って、下手なコメディに降ったりもしてない。
コメディとエモさとリアリティのバランスがいい感じ。
(そういうのはあるけど、増やしすぎてない。)
そして、途中から謎にSF要素入ったり恋愛話になるような
悪い話の逸れ方を一切してない。
ずっとちゃんと仕事(=暮らしの居場所)の話をしている。
こういう作品をもっと見たい。
最後の終わり方が完璧だった。
電車の進む方向が逆になってるってだけで、
"意味は分かりますよね?"って示されてるのが、分かってらっしゃる!!!
例えるとテルマ&ルイーズのそれと同じぐらいいい感じだった。
もっとみんなこれぐらい"(説明しなくても)察して下さい"って感じのをやろうぜ!!
おそらく受け手の課題だと思うし製作者も悩んでるところだと思うけど、
最近は特にどんどん主人公の気持ちを台詞で説明しないと伝わらないという状況にある(※)けど、
この作品はそういう状態になる前の物なので、そう言った謎の配慮に濁される事なく、純粋に映像で表現されているので、見ていてとても気持ちがいい。
かなりプリミティブな印象です。私はこういうのが好きです。
※分かりやすい例:鬼滅の刃、シンエヴァンゲリオン(シン〜は全部そう)
逆にあまり言葉で説明しなかった例;カルテット(ドラマ)