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オーバードライヴのkuuのレビュー・感想・評価

オーバードライヴ(2013年製作の映画)
3.6
『オーバードライブ』
原題Snitch.
映倫区分PG12.
製作年2013年。上映時間112分。

ドウェイン・ジョンソンが主演、実話をもとに息子を救うため戦う父親の姿を描いたアクションサスペンス。
共演にスーザン・サランドン、バリー・ペッパー、ベンジャミン・ブラット。監督はスタントマン出身で本作が長編2作目のリック・ローマン・ウォー。

再婚した妻とともに幸せな日々を送っていた運送会社社長のジョンは、前妻に引き取られた18歳の息子ジェイソンが友人にはめられて麻薬の包みを押しつけられ、現行犯逮捕されたと知る。最低でも10年の刑務所暮らしを課されたジェイソンを助けるため、ジョンは女性検事キーガンと交渉し、息子の代わりに麻薬密売人逮捕を請け負うことになる。
運び屋を装い、売人の元締めマリークに接触したジョンだったが、その背後にはさらなる大物密売人の存在が浮上。
ジョンは危険な状況へと身を投じていく。

今作品のベースとなった実話は、1992年にジェームス・セッテンブリーノが、息子のジョーイ(彼もManatory Minimum Sentencingにより10年の刑に処せられた)の刑期を短くするために、他のドラッグディーラーの情報を提供して検察に協力したというものっす。
この米国の『Manatory Minimum Sentencing-最低刑法』てのは、1986年のH.R.5484 Anti-Drug Abuse Act of 1986(ライト・ジェームズ・C・ジュニア下院議員【民主党・テキサス州選出】主催)で導入された法。

本作品は、ドウェイン "ザ・ロック "ジョンソン、嗚呼ロック様が主演と共同プロデュースを務めた犯罪ドラマっす。
ガテン系の仕事を営む男が、不当に投獄された息子(友人に麻薬取引ではめられた)を釈放するために、DEA(麻薬取締局)に潜入捜査を行うというものでした。
本作品は、
スーザン・サランドン『デッドマン・ウォーキング』、
バリー・ペッパー(『The Kennedys』でロバート役やった)、
ジョン・バーンサル(『ウォーキング・デッド』リックの親友浮気野郎役)、
ベンジャミン・ブラット(『STAR 夢の代償1.2』)などよく映画やドラマで見かける豪華キャストが出演しています。
ザ・ロック主演の典型的なアクション映画やと思てたけど、実際には、ドウェイン・ジョンソンの素晴らしい演技をフィーチャーした、結構ハードなドラマでした。
また、『麻薬戦争』の不当性を批判した作品でもあるんちゃうかな。
今作品は、18歳のジェイソン・コリンズ(ラフィ・ガヴロン)がPCで友人と話しているところから始まる。
友人が自宅に送りたいちゅう違法な薬のパッケージを受け取るように頼まれ(薬を持って飛行機に乗れないと云うので、アルアルやなぁ)。
彼は断ったが、友人はとにかく薬を彼に送った。
その荷物を受け取ったが最後あれ~。
アレヨアレヨ麻薬密売でDEAに逮捕さちまう。
彼は、友人が自分の刑期を短くするために自分をはめたことを知り、今度はDEA捜査官が、ジェイソンに自分の友人をはめろと云っていることを知る(さもないと10年から30年の懲役になる)。
なんか日本の道警であったような。
てな感じで展開してく今作品は、いつものドウェイン・ジョンソン映画のようなアクション満載とまではいえへん。
壮大なカーチェイス(セミ車が絡む)と他のアクションシーン(セミ車と麻薬ディーラーの銃撃戦)があるけど、それだけ。
麻薬の世界と、それを生み出すDEAの不当な戦争を描いた今作品は、非常に関わりないようで、意外に嵌められやすいし深い、時にかなりサスペンスフルな犯罪ドラマであると思う。
あらゆる薬物を違法とすることの悪い点をすべて完璧に示している。
麻薬は人生をイカれポンチにしてしまう。
この映画のメッセージは非常に重要なモンやと思うし、登場人物たちのドラマと感情は非常に正当なものと云える。 
また、脚本と監督が適切で、ジョンソンは(単なるアクション映画のスターではなく)シリアスで『正統派』の俳優として真の演技力を発揮する機会を与えられている。
シルベスター・スタローンがかつて作っていたより良い映画を思い出させてくれる(スタローンファンの方ゆるして~🙇)。
良い映画であり、重要な映画であると思います。
kuu

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