Mia

とらわれて夏のMiaのネタバレレビュー・内容・結末

とらわれて夏(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


木漏れ日が美しく、少し湿度の高い、そんな夏の日。

失意の中から抜け出せずにいる日々。
そんな時に愛を感じた相手は脱獄犯。

息子のヘンリーと対等に向き合う。
2人を守るために、一度は縄で縛る。
嘘ではない事実を作った後に、3人でパイを作る。

3人がそれぞれ愛を感じ始めた途端に、それは失われてしまう。
でも、巡り巡って再び戻ってくる。

人生ってそんなものなのかな。

最後に、過去にとらわれているアデルが心配だった。と言うヘンリーのセリフがあるけれど、 フランクと出会うまでは、それまでの過去に囚われ、フランクと出会い引き離された後は、フランクとの過去に囚われる。
結局アデルはいつでも過去に囚われている。
ただ、そう生きているのが楽なんだと思う。私もそうだから。前を向くことよりも、幸せだった日々、苦しんだ日々を思い出して生きている方が楽だから。なんだかそっちの方が希望を見出せる気がするから。
世の中はこれを一途と言う。一途なのはいいことだよと簡単に言う。
でも、私からしたら、ただ前を向けないだけ。過去に囚われて、引きずって、目の前にある未来に手を伸ばせないだけ。
こう言われると、一途って何もいいことないでしょと思う。
愛する人と結ばれた後に一途であることはいいことだと思う。ただ、戻らない過去に対して一途にいる、囚われてるのはただ弱いだけなのではないかと思う。
いいか悪いかは置いておいてね。

そんな世の中で生きるのがあまりにも辛すぎる。世界が地獄になったっていうアデルの言葉があった通り。
前向きに生きていたはずなのに、ある日突然地獄になる。でも前を向く方法がわからない。

賢く母を愛する息子の目線で描かれるからこそこの作品は美しさを増したのかも。言葉にせずとも母が愛をみつけたことを悟ったり、殺人を犯した脱獄犯に真の人間性を見つけ出したり、そんな素晴らしい感性の持ち主が語り手だからこの作品は美しい。
母目線だったらまた違う作品になるよね。


俳優陣が豪華でしたね。
ヘンリーの高校生時代は、13の理由のディランだよね?
大人になってからはトビーマグワイア。
なんとなくわかる気がする。目とか、顔立ちとか同じ系統に感じたからかな。違和感なかった。

ケイト様、儚い様子を演じる姿が美しすぎる。

賑やかじゃなくていい。
お金がなくたっていい。
どうか3人が穏やかな幸せを掴めますように。
Mia

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