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レイルウェイ 運命の旅路のniのレビュー・感想・評価

レイルウェイ 運命の旅路(2013年製作の映画)
4.5
第二次世界大戦中に、日本軍の捕虜となり、タイビルマ間を結ぶ泰緬鉄道建設に携わらされた英国人将校エリック。多くの人があまりの過酷で劣悪な環境により命を落としたこから、それはいつしか“死の鉄道”として知られるように。その“地獄”から生還したうちの1人である、彼の自伝がこの映画の原作。

本当に良い映画だった。
日本軍が捕虜に対して非人道的な扱いをしていたのは知っていたけれど、この鉄道のことも、ここまで残虐なことをしていたとも知らなかったので、それを知るきっかけになったのも良かった。
映画の本筋とはズレるけど、こういう力のない人を苦しめようみたいな考え方は今の日本にも残っていると思う。残念ながら。諸外国に比べて賃金が安いことや、移民の受入れ数が他の先進国と比べて圧倒的に少ないことが示しているのでは。

ラスト、予想はつくしその通りになるんだけど、いざそれを観ると、涙が止まらなかった。
人を憎み続けても何も生まれないということこそが、この映画の伝えたかったことなんだと思う。

私が日本人であるから多少のバイアスはかかってしまうのだと思うけど、それをふまえても永瀬個人だけが悪いとは言えないと思う。彼だって見方を変えればまた戦争の犠牲者なわけで。私は彼がどんな思いであの場所に当時いたのか、すごく気になったから、彼の視点から観たものが描かれていたら、もっと映画に深みが増したと思う。

コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之の演技がとても良くて、いい映画だった。
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