えでぃ

レイルウェイ 運命の旅路のえでぃのレビュー・感想・評価

レイルウェイ 運命の旅路(2013年製作の映画)
4.2
平凡な人生を送るはずだったイギリス人兵士のエリック・ローマクスは、シンガポール陥落時に日本軍に捕らえられ、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設現場で過酷な労働を強いられる。

それから約50年後、当時の記憶記憶に苦しめられながらも、結婚したばかりの妻と平穏な日々を送っていた。



当時はその言葉もなかった心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ男の乗り越える姿がありました。

これは擁護するように聞こえるかも知れないが、戦時下に於いて兵士が恐れるものが死だろう。
落ち着いて考えれば問題のない事でも、恐怖が要らぬ猜疑心を生み、捕虜という弱い立場の人間に吐き出している。

戦後50年もPTSDに苦しんでいたローマクス。
彼に死まで考えさせる程の消せない記憶は、戦犯を逃れた永瀬隆への復讐へと向けられる。
しかしこれは、人間として至極,当然な事だと思うが、ローマクスが苦しんだように、永瀬もまた苦しんでいた事を知る。
懺悔の気持ちがなければ、あの地にも居なかっただろう。

そして会話する事で、互いの真意を理解し、距離も縮まっている。

人間を変えてしまう戦争は、苦しみだけを与えているように感じた作品でした。
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