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少女は自転車にのってのcamusonのレビュー・感想・評価

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)
2.7
サウジアラビアの活発でお転婆な娘が主人公。
親父は汚れたつなぎを着てたりするので整備工か工場労働者でしょうか?
家は結構立派で、テレビゲームと大型テレビまであって、
親父が遊ばない間にピコピコ遊んだりするくらい。
家の中で、宗教的厳格さはまったく見られません。

自転車は案外高級品のようで、家にはなく、
主人公の少女は、自転車に乗りたいので、自転車を買うために、
ミサンガを密造し、学校で密売したりします。
かなりフリーダムです。

情報化が進み、欧米の文化が入り込んできて、
女性が自身で情報を得て、考え、行動する機会を得るように変化している。
一方で、宗教的な縛りは旧態依然として残っている。
そのアンバランスな現状を見せることで、
受け手に何かを考えさせるという作品。

とは言えメッセージ性が前面に出ることはなく、
役者の演技も自然で、いい感じです。

サウジアラビアでは映画館(集会所)が禁止されていて、
かつ女性監督による作品と言うことで希少性が高く、
サウジの普通の家庭の内側が見られて、
知識としてはたいへん貴重なのですが、
だがしかし、
面白いかと言われるとどうかなというのがあります。

イスラム教における女性の地位が、
考えさせられる問題だとしても、
部外者が解決できる(解決させてもらえる)問題じゃないので、
今ひとつ、突きつけられないのですよね。
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