桃子

ウィンチェスター銃'73の桃子のレビュー・感想・評価

ウィンチェスター銃'73(1950年製作の映画)
3.5
「ライフル銃が主人公」

西部劇に登場する武器と言えば、リボルバー、ショットガン、ライフル、そしてたまにマシンガン。ガンファイトシーンで登場するのは9割方がリボルバーだが、この映画ではライフルに主役の座を譲っている。映画のタイトルからわかるように、この映画の主人公はウィンチェスター社製のライフル銃である。
最初にライフルの話と決めてしまったのだろう。登場する人物たちは、このライフルに振り回されることになる。1000丁に1丁の割合で誕生する幻の名銃を奪い合い、駆け引きをし、あるいは落下したところを拾ったりして、持ち主が次々と変わる。
この映画もずいぶん前に見ていた。ラスト近くのガンファイトシーンだけ、うすぼんやりと覚えていたので我ながら驚いた。ただ、誰と誰が打ち合うのかまでは覚えていなかったけど。
ライフルを主人公にするなんて、なかなかいい発想だ。ストーリーもそこそこ面白いし、ラストにはちょっとしたサプライズも用意されている。けっこういい点数をつけられそうだなあと思って見ていたのだけれど、見終わって(なんか違うよなあ…)と思ってしまった。面白い物語なのに、何かが物足りない。やっぱり、人間を描く方が心の琴線に触れるということなのか。ライフルという物体、それも動物や人間を殺すための道具を主役にしたのでは、感情移入できないということなのかもしれない。
なんだか、もったいない西部劇である。大好きなジェームズ・スチュワートが(一応)主演しているのになあ。ドッジシティで保安官をしているワイアット・アープという豪華な脇役も登場するのに。あともう一点。射撃大会で優勝を争った2人の腕前がもの凄いんだぞと派手に演出されていたのだが、どう見てもテキトーに狙って撃っているようにしか見えなかったのは私だけ??(笑)
桃子

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