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ほとりの朔子のmQのレビュー・感想・評価

ほとりの朔子(2013年製作の映画)
4.0
ひと夏の思い出に優しく寄り添える作品。それぞれに、それぞれが抱える事情があり、当たり障りなく距離を保つ。そこにぽつりと落とされた朔子は、茹だる暑さに身を任せて自転車を漕ぐ。
日本人だからこそ演じ、描くことができた独特の他者との距離感や愛のカタチにほろ苦さを感じ、初めはじめっとした心地だった。しかし、終盤は愛おしさで胸が一杯になる。
無意識に他人を枠で括り、評価してしまう私たちは滑稽。そんな大人の姿に戸惑い、家を飛び出す若者2人を抱き締めたい。
ほとりに佇むふみちゃんの姿はしっとりと大人びていて、きっと彼と同じ気持ちに胸を打たれるはずだ。
たまたま劇場で監督とお会いすることができ、サインまでいただいた。作品のままに柔らかく、繊細な方であった。ありがとうございます。
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