kuu

アデル、ブルーは熱い色のkuuのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0
『アデル、ブルーは熱い色』
原題La vie d'Adele  映倫区分R18+
製作年2013年。上映時間179分。

アデルとエマの情熱的な人生を、大胆な性愛描写とともに描いている仏国映画。
偶然やとは思いますが、この作品がカンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞したその日(2013年5月26日)、仏国では同性結婚が合法化されたそうっす。

青い髪の美大生エマ。
エマと出会い、運命的な恋に落ちた文学を愛する女性アデル。
アデルとエマは、激しく愛し合うようになる。
しかし、時の流れとともに2人の気持ちは次第にすれ違っていき。。。

クールで中性的なエマはまさに“青”そのものであり、青い炎のように芯は熱いことも分かるし、アデルが惹かれるのも分かる。
二人の主演女優の熱演は、若さと云う美しさや自然さが際立ってるかな。
なんでも、二人にはメイクアップアーティストやヘアスタイリストついてなくて、映画のほとんどを二人はノーメークで撮ったそうです。
加えて、監督は二人に台本を一度だけ読ませて、二人のシーンには多く即興も入れ~の演じる言動をより自然に仕向けたそうっす。
小生だけじゃなく多くの視聴者が、自然の中に見え隠れする二人の美を感じたのんちゃうかな。

閼!そう云やぁ作中、哲学の教科書に、ポール・フルキエの『哲学講義』が使われていることを知った時にはプチ驚いた。
この教科書は
『現実』=『経験』を透明化、組織化して、論理として自己の判断を下すためには、どないな思考の方法が必要なのかってのが概要で、哲学の基本概念を語って、認識とは何かを解き明かし、思考の自立への指針となる、仏国高等学校哲学科の代表的教科書かな。
教師の指導や仲間との輪読会とかがなきゃ読解はメチャクチャ難しい。
せや、市民社会の一員として教養を身につけさせよう、とする姿勢に感服もし、賞賛もするかな。

余談が過ぎましたが、この作品についてはおそらくreviewされ尽くしてるかな。
ただ、映画の重要な瞬間をあげるなら明らかかな。
多少、議論の余地のあるセックスシーンかな。
エロを見るならAVみてる方がお下劣やし、今作品の女優の若く美しく照らされた肉体を単に賞賛して、エロ目線でみりゃ、正直、退屈な機械的やね。
せや監督は、絵画や彫刻に似せて女性同士の親密シーンを撮影することを目指していたそうやし、芸術目線なら成功してると思う。
確かにセックスは激しいかもしれませんが、ステージング(本番環境)は非常に巧妙やし、受動性を呼び起こしよる。
これらのショットが、フランスの写実主義の画家ギュスターヴ・クールベのヌード絵画(エロティック油彩画『眠り』『2人の友達同士』『怠惰と情欲』とか)を奇想させよるんは偶然じゃないように感じます。
kuu

kuu