胸ポケットにすあま

アデル、ブルーは熱い色の胸ポケットにすあまのネタバレレビュー・内容・結末

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

メモ
・まずフランスの高校ってこんな感じなのかぁ、と思った。アデルが通ってるのはおそらく、あまり質の高くない公立高校とかなんだと思うけど、高校生がちゃんと政治に参加していて、さすがだなと感じた

・格差についての話でもあった。アデルの環境では、いろいろなものを犠牲にしなければ夢は追えないし、そもそもお金にならない夢を見るのが難しい。そんな中で自暴自棄にならず地に足をつけて生きてるのに、他人に「本当にやりたいことは?」みたいに聞かれるのはツラかろう…
・あと、エマが持っていて、アデルが持っていないものをいちいち見せつけられる演出がキツい
・エマが自由奔放に生きられるのは結局親の教養と財力あってのものなので、なんだかな。ロックとかパンクとかって労働階級のものだと思ってたけど、今や反抗心でさえ、持てるのは知識人と金持ちだけになってしまったのかもしれない
・レア・セドゥは魅力的だったけど、エマというキャラは自分の特権に無関心すぎてあんまり好きになれなかったし、かといってアデルもな…。唯一アデルの友達の男の子とは友達になりたい

・フランス市民の政治への関心や行動力は本当に羨ましいのだけど、蓋を開けてみればここもやはり格差社会で、理想の国はどこにあるのだろうと思う
・全然内容は違うけど、格差という意味で『愚行録』を思い出した。格差(主に貧富の差)ってそれ自体がもはや差別の域に達してないか?

・セックスのシーンが生々しいので、親とは観るのはお勧めしない