このレビューはネタバレを含みます
道でふとすれ違った青い髪のエマに一瞬で魅了されるあの感じ。とにかく男前なレア・セドゥがかっこいいんだよなぁ。そりゃ惚れちゃうよね。
没頭できる仕事があると、恋愛そっちのけになっちゃうときもあるけれど、没頭できるものがない人だと、そういう人の気持ちは理解できないだろうし、恋愛至上主義になりがちなんだろうな。絵に没頭して画家としてのスタンスを着々と築いているエマと、得意な文章を仕事にせず安泰で無難な将来を歩もうとするアデルでは、温度差があるのは確か。特にエマはアーティスティックだからこそ、恋愛相手としては気難しい部分もあるし。「私と仕事とどっちが大事なのよ」みたいな感じとか、「相手をしてくれなくて寂しいから、アタシどっか行っちゃうよ」みたいな感じとか、恋愛至上主義な女にありがちなアデル。まぁ、いくら文章を書くことが得意だからといって、周囲から「もっと書け」だの「なんで仕事にしないんだ」とか言われるのも、余計なお世話だなぁというアデルの気持ちもわかります。
ガチレズじゃないバイセクシュアルな女性は、平然と男ともヤれちゃうっていう典型。確かにガチレズの女性からして見たら、男をフェラした口でキスなんてされたくはないわけで。そういうアデルのガサツな感じが、関係を破綻させた要因でもあるんだろうと思います。
気づいたら3時間。惚れた腫れたのみで長尺を紡ぎ出した恋愛映画って、いかにもフランスらしい。2013年の第66回カンヌ国際映画祭、パルム・ドール受賞。