田中

アデル、ブルーは熱い色の田中のネタバレレビュー・内容・結末

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

感想、憶測

 アデルの性の境界の曖昧さから起きた様々な事。
 異性と付き合った時も同性に対して欲情した時も、結局アデルは自分の立ち位置を理解できずに苦しんでいる感じがした。異性と付き合ったけど、同性に一目惚れ。同性と付き合っていく中での欲求不満は異性で解消してしまう。
 自身で起こしたトラブルの結末だからそこに対しての感情の移入は難しかった。
エマとレストランで再開したシーンは、体を使ってでもエマを求めているアデルの必死さが醜く正直で胸を痛めた。
 最後はエマのことを本当に愛していたことへの自覚と最後に追いかけて行った男性との始まりの匂わせも感じた。
 
 青色をすごく大事に使っているような服装や場所選びだった。(考えすぎかもだけど)アデルにエマの青色が写っていくかのように、二人がすれ違ったシーンから青色のマフラー、青色の服を身につけていた。最初にキスだけした友達が青色を基調にしたファッションだったり、ラストにアデルの着ているドレスが青色のものばかりだったり、青が同性愛のメタファーとなっているのか、愛情という大きな意味合いになっているのか。
 序盤はアデルが寝ているカット(寝顔)を写しているのが、段々少なくなる。それは恐らく、一人で過ごす夜が減っているからかなと思った。エマと喧嘩別れした後、再び一人で寝て寝顔を写しているカットが使われている。
 人物が二人で会話している場面は話者を交互に映している。躍動感というか、自分も会話に混ざっているかのように感じる。
 エマとアデルの家でパーティーが開かれる場面。アデルは俳優の男性と踊っている間、エマは妊娠している後の彼女と話している。アデルが男性と踊っている後ろで垂れ流しにされている古い映画(何の映画かわからない)の女性の仕草や表情が、エマが見知らぬ人と親しげに話しているのを見て不安になるアデルの心情を表しているようだった。
田中

田中