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アデル、ブルーは熱い色のgigigiのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
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簡単にいうとレズビアンカップルの痴話喧嘩映画。全然悪い意味ではなくて。

若干20歳で、あの演技をしたヒロインは凄い。高校生から大人になるまで、ちゃんと大人びていく様子がわかる。
常に何を考えているのかわからない様子で口は半開き、目は虚ろ。あの顔だからこそこの役をやれたのだろう。

学生運動に参加しているときは、もはやヤケクソ、大声を出して仲間と歩く。LGBT運動に参加している時は、これまた虚ろで彼女のされるがままに動き、周りに合わせて身体をへなへなと動かせる。彼女の心情を表していたのかしら。前者は「いつもの仲間と一緒だし何も怖くない!」後者は「これでいいのかな、本当に私これを望んでいるのかしら、そうよね、これが私なのよね多分…ボロネーゼ食べたい」みたいな。勝手な解釈。

あれだけレズビアンじゃない!と友達に言った後だったが、結局街中でブチュー。家族にもカミングアウトしてないようだったけど、そんな!街中で!大丈夫?

喧嘩別れした友達もパーティに参加していないし、就職後の家族との付き合いも描かれていないし、ほんと、2人の世界だけを切り取って描かれているだけ。もう2人っきりで夢中だったんだろうね、仕方ない。

そんな中でもちょっとずつのすれ違いが生じて、ヒロインのアデルは浮気をする。けど、ちょっと待て、そもそも最初の出会いの時にエマには2年付き合っている彼女いたよね?あっちはどうなってたの?浮気から始まってたんじゃないのあんたたち、って感じ。それともちゃんと別れてからセックスしてたの?あたしゃ聞いてないよ!
でもきっとそれも2人だけを中心に回る世界だから、そんなことは教えてもらえない。。
最後の方に、これお洒落演出でしょ?みたいな、とってつけたように「ブルー」が出てくるけど、何故かイラっとしました。そこはあえて「素敵なドレスね」だけで、しかももっと柄のない、シンプルなブルーのドレスにしてくれよ、と。

結果として、アデルの泣きっぷりと豊満ボディ、そしてボロネーゼを楽しむ映画だった。
スペクターとは全く違う、レア・セドゥのハンサムっぷりもイカしてました。
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