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アデル、ブルーは熱い色のkekqのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.5
フランス映画。17歳の女子高生が青い髪の女の子に恋するお話。

平凡な街の平凡な朝から唐突に始まり、バスに乗る主人公、勉強する主人公、群れをなす主人公、パスタをガツガツ食べる主人公、セックスする主人公、だらしなく眠る主人公、を長めのカットで淡々と流していく。髪はボサボサで目はうつろ、口は半開きでしまりがなく、口数少なく表情も乏しい人間をただ見続けるこの感じ、どこかで見覚えがあると思ったら「ダーウィンがきた!」でした。

大袈裟なドラマ的演出を極力排除した観察記録のような描写は潔く、生々しい魅力に溢れた主人公を余すところなく楽しませてくれます。何もおきていないシーンがこれほど目を惹く映画も珍しい。
ストーリーは全体的にシンプルで、わかりやすい暗喩もほどよい加減で良かったです。

アデルとエマの数年間の心の移り変わりに大量の文学的要素をギュッと詰め込んだ作品。このコンセプトでこれだけ訴求力のあるエンターテイメントに仕上げたのはバランスの奇跡です。

それにしてもフランスの女子高生はみんなこんな生活してるんでしょうか?あれだけタバコ吸ってたら全員老け顔なのもすごい納得します。
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