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アデル、ブルーは熱い色のmisakiのネタバレレビュー・内容・結末

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いやはや…かなり期待して観て、その期待の遥か上だった。哲学やらオーガズムをひたすら追求するのがフランス映画のイメージだが、初めて良いと思えた気がする。若干性描写が多いが、それでも3時間にも及ぶ上映時間をまったく感じさせなかった。お見事です。。
忙しさにかまけてこの映画を劇場で観なかった自分に腹が立つ。

ブルーの髪色をしたエマは中性的
で、とってもクール。どうしても美女と野獣にでてるレアセドゥと同一人物だとは思えない。個人的に彼女は中性的な役が一番似合う気がする。一方、無造作ヘアがかわいいアデル役のアデルエグザルコプロスは舌を噛む癖があったり、口を半開きにする癖があったり、なにげない仕草がどことなくセクシー。だけど途中からなぜか野うさぎっぽく見えてくるのも事実(笑)かわいいけど。そんな2人の恋愛模様が物語を動かすこの映画。何と言っても、レアセドゥ、アデルエグザルコプロスの演技がとにかく自然体でリアル。アデルエグザルコプロスはこれが俳優としての初仕事なわりに、めちゃ演技上手い。彼女の泣きの演技は圧巻。ニコールキッドマンやアンジェリーナジョリーと同じものを感じる。恋愛における切なさ辛さが痛いほど伝わってくる。この点がこの映画の全体的な高評価の軸になってるんじゃないかと感じた。一つ一つの言動・表情がとてつもなく繊細で…本当に素晴らしかった。ちなみに、頻繁にあった、ご飯を食べるシーンも好き。食べ方に人柄がでていて面白い。

正直、内容は時たま同性特有のいざこざはありつつも、普遍的なラブストーリーとそう変わらないと思う。しかし彼女達の演技力もさることながら、カメラのピントをアデルとエマの交互に合わせ、感情表現の強調がなされていたこと、一貫したブルーの用い方、などなどさまざまな工夫が凝らされた映画だった。映画自体へのパルムドール授賞、また主演2人の授賞も納得。

一つ疑問なのが、アデルという名前が俳優の本名と同じなのはなにか意味があるのだろうかという点。関係ないのかな(笑)

続編は必ずや劇場で観たい。絶対に絶対に観ます。


p.s.中盤、感情的に爆発し出したエマを見て、やっぱこいつ女だな〜と思って少し冷めた(笑)
生牡蠣が非常に美味しそうだったので、来月からのパリ旅行がかなり楽しみ!
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