のんchan

グォさんの仮装大賞ののんchanのレビュー・感想・評価

グォさんの仮装大賞(2013年製作の映画)
3.9
タイトルからしてもシニアコメディ🥸なのかな?と選んだけど、いや〜なかなか老後を考えると身に沁みるリアリティのあるヒューマンドラマでした❗️


グォさんは妻に先立たれ息子との関係が上手く行かず、バスの運転手時代の友人チョウさんに誘われて老人ホームに入居することに。
そこには認知症の入居者も多い中、この先が思いやられると思った矢先、自分の身体にも急激な老いの変化を感じる。
いつも元気一杯のチョウさんだが、誰にも言わずに隠していたことをグォさんだけが知る。それは余命幾許もない末期癌だった。チョウさんは日本に行ったっきり会えない娘がいるが、最期は病院で管に繋がれて1人で死ぬのだけは嫌だと、ホームで気持ちを上げる為に、TVの仮装コンテスト番組出場を皆で目指そうと提案する。
若い女性施設長、家族たちからの反対を押し切り、チョウさんがオンボロバス🚌をチャーターして来てロードムービーさながら数人でホームを抜け出すが...


奇を衒わない演出、旅の途中の田園風景は懐かしさを誘う。 仮装のネタはアイディアが愉快(特にホームでやった麻雀牌🀄️のが面白かった)
所々に都合の良すぎる演出だけど、この作品の言いたい事はしっかりと伝わって来た。

人は老いてなおどこまで矜持を保てるのか?
今思っていても、その時が来たら身体の老いと心の老い...自分がどうなるのかは誰も解らない。
このような作品は観て損はないし、ハッと気付くことがある。
それは『老いても心は若い時と変わらない』ってこと✨それを理解出来ない周りが年寄り扱いしてしまう😣

コンテストは日本のTV番組の中国予選であることがラストに繋がる。あぁ〜もしかして....と心が和んだ。


チャン・ヤン監督はお年寄りに向ける温かい眼差しを描き、そして映し出すのに長けているらしい。
『こころの湯』『胡同(フートン)のひまわり』も良さそう☺️
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