レッド・ファミリーの桃のネタバレレビュー・内容・結末

北朝鮮工作員のグループが韓国の一家族に扮して、司令に応じて暗殺をしていくという話。
物語の要となるのは隣の一家。
すぐに互いへの尊敬の念を忘れ、喧嘩をしては、仲直りを繰り返す。
工作員達はそれぞれに朝鮮に家族を人質として残してきている為、韓国への憧れを持つことは祖国への裏切りとして許されないながらも、家族への憧れが日々募っていく。

特に印象に残ったシーンは、ミンジの誕生日を祝う為に2つの家族が食卓を交えて論議するシーンと、
あとはやっぱりラストの、工作員偽ファミリーが本物のファミリーの会話を真似するシーン。

話の全てを録音され、発言の一つ一つに気をつけないといけないながら、工作員メンバーのギリギリの発言と、世代毎での考え方の違いも如実に表れていたシーン。
イ・ジュヒョン監督は南北統一を祈って制作したという話もあるが、ミンジとチャンスが繋がっていくのは希望ですよね。

ラストの船のシーンはただただ切ないです。それまで、本当の家族のことを守る為に偽ファミリーを演じ続けていた4人が、演技をすることで家族になる。

-最後に残るのは家族よ
優しくしておきなさい
死んで泣いたら後悔する

-互いに敬えば
喧嘩しなくなるわ

丁度今朝にノマドランドを観たところだけと、生まれた場所、暮らしてきた環境によってこうも人の人生、運命は翻弄されるものなのかと、痛感させられた。