リーアム兄さん

インセプションのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

インセプション(2010年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
コブ「夢を見ている間はそこが現実だ。目覚めて初めて変だと思う。ここからが夢だってわかってる夢はない。知らぬ間に夢の中にいる。」

対象の夢の中に入り込み、対象の中にあるアイデアを盗むという方法で企業スパイをしていたコブ(レオナルド・デカプリオ)とその相棒のアーサー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)。彼らは日本人実業家のサイトー(渡辺謙)をターゲットにしていたが、サイトーも夢の中での自己防衛訓練をしており、失敗に終わってしまう。スパイ任務は失敗に終わったが、サイトーから新しい話を持ちかけられる。エネルギー会社社長の息子にその会社を潰させるという作戦である。コブ達はこの話を断るが、サイトーがコブの過去について言及することで、コブはこの話を受けることとなる。コブはアーサーの他に仲間を集め、社長の息子を誘拐し、夢の中に入る。夢の中で会社を潰すというアイデアを「インセプション(植え付け)」するという作戦だ。コブはこの作戦を成功させることができるのか。また、コブが抱える過去とはいったい何なのか。

「TENET」を見たら急に見たくなって再鑑賞。
何回見てもさすがクリストファー・ノーランという感じ。

人間の夢という誰もが全てを理解していない「概念」(というか事象?)をテーマにして繰り広げられる大規模スペクタクルアクション。
誰もが夢を見るからこそ「あ!この感覚わかる!」という共感はあるものの、どうやったら【夢の中の夢】や【夢で思ったことがアイデアになる】という構成が浮かんでくるのだろうか。
クリストファー・ノーランも誰かにこの構成を夢の中で植え付けられているのか…

「TENET」もそうだが、起承転結の「起」があたかも「みなさん当然理解できてますよね?」と言われているかのような始まり方をする。もはや「転」。
当たり前のように夢の中から始まり、原理も説明されぬまま物語が進んでいく。
サイエンスフィクション映画という面で見れば、たしかになぜそれができるかなんて説明する必要はないよなって気付かされた。

そんなストーリー展開とともに、夢の中での戦闘もこの作品の見どころ。
特にジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じるアーサーが無重力状態となったホテルで格闘するシーン。クールなジョゼフ・ゴードン=レヴィットが縦横無尽に動き回り敵を倒していくのがカッコ良すぎる。
このシーンの撮影もクリストファー・ノーラン特有のノーCG撮影。ほんとにホテルをぐるぐる回して撮影を実施。凄すぎる。

そして夢の中の夢から現実に戻ってくるときはすべて同時で、それぞれの夢の中で起こることがリンクして現実に戻ってくるのは爽快感がある。
またラストシーンでコブの「トーテム」が回っているのを止まるか止まらないか、ゆらゆら揺れているところで終わらせるというのもクリストファー・ノーランのいやらしさ。

何回見ても夢中で見れる作品です。

これと似たテーマであったのが日本のアニメ映画「パプリカ」。「インセプション」の公開が2010年で「パプリカ」の公開が2006年と4年も早いことを考えると日本映画もすごいと思う。