まーくん

インセプションのまーくんのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.4
他人の夢に入り込みアイデアを盗み出すスペシャリストのコブは、自身の犯罪記録抹消と引き換えに他人にアイデアを植え付ける「インセプション」のミッションに挑む。

今自分の目の前にあるのは現実なのか、それとも夢なのか。

コブは妻モルが現実を夢だと思い込んでしまったことに後悔と恐怖を覚えていたが、モルからすると夫コブが観ている現実が夢ではない確証がない。
つまり、モル自身は自分がいる世界が夢なのか現実なのか曖昧なままコブと列車に轢かれるという道を選んだのだ。例え現実だとしても死を覚悟していたのだ。
それに対してコブは夢と現実をしっかりと認識しているように見えているが実はそうではないように思える。
今自分が観ているものは現実だと証明できる根拠をしっかりと並べて言い訳をしているだけだ。
トーテムが回り続けて物事を改変できることが夢であることの証明にはなるが、トーテムが回り続けずに物事を改変できなくたってそれは現実であることの証明にはならないからだ。
そう考えるとラストのシーン。あの後に例えトーテムが止まっても止まらなくてもそれは現実であることにはならない。コブがどうしたいか、それだけだ。そしてつまるところ、この映画を観た視聴者がどうしたいか、それだけだ。
僕が好きなバンドのボーカルがよく言っていることと同じで、作品ができた時はまだ完成ではない。その作品がリスナーに、視聴者に聴かれて、観られて初めて完成するんだ。
そう考えると最高にワクワクする作品だ。

作品全体のVFXの使い方も見事で、果物やワイン、木箱が弾け飛ぶシーン、街が折り畳まれるシーンなど視覚的にも新しい映像ばかりで素晴らしい。

アクションについては、重力の方向が時間経過によって変化するホテルの廊下でのシーンが特に素晴らしい。

複数の時系列が入り乱れる過去作に対し、違う階層の夢の世界を並行して描いている点が面白い。

夢、逃避、現実、目覚め、、、

今自分がいるのは現実なのか、それとも夢なのか、、、


「夢があるって」
「一緒に年を取る」
「叶うわ」

「どうせ夢だ ブチかませ」
まーくん

まーくん