らんら

インセプションのらんらのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.2
圧巻の映像作品。凄すぎる。
内容もめちゃくちゃ面白いです

人の夢に入り込むとか、夢を共有するって設定は割とあるけれどビジュアルも設定もここまで作り込まれている作品は中々ない。

今自分が見ている世界は本当に現実なのか、はたまた夢の世界なのか…
現実世界にいる我々鑑賞者すらも疑心暗鬼にさせてくる説得力。

映像も凄まじいです。
無重力シーンや街が折り畳まれるシーンなど、視覚効果抜群でどのシーンも凄く印象的。

現実にあるモチーフだけど現実では有り得ない配置や不思議な形で存在している絵面が良すぎる…シュルレアリスム好きには間違いなく刺さる世界観。

クリストファー・ノーランじゃないとここまで完成度の高い世界観を作り上げることが出来なかったはず。

偶然だろうけれど、ホテルの廊下のシーンは今敏監督の「パプリカ」を思わせます。
(映画自体の設定も似ているのでパプリカ好きな人はインセプションも好きだと思う)


設定と展開が複雑なので、ずっと頭フル回転させて観ていたら観終わった頃には頭が痛くなっていました。
相変わらず時系列もややこしくて一発で全て理解するのが難しいため、最低でも2回は観たい作品

コブとモルのドラマパートも素敵です。

ただ、経営者(サイトー)自らライバル企業を解体させたいという目的の為に、危険なインセプションに参加するのはややリスクが大きいし、無理矢理感が否めません

後継者ロバートの潜在意識にアイディアを組み込むというのも結構回りくどいし、そのアイディアも直接的な内容ではなく間接的な内容。
確実にロバートが会社を解体させるような内容ではないし、目的とインセプションの内容とリスクが見合っていないような気がしました。
それを言い出したら物語が始まらないので邪推なんだけど…

でもそんなこと気にならなくなるくらい、とても新鮮で刺激的な映画体験でした
らんら

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