ぴぇ

インセプションのぴぇのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
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満足できる夢を生きるか、不満足な現実を生きるか。

大筋についていくのがやっとというか、
緻密な設定とストーリーを前に舌を巻くしかなかった。夢が層構造になっていて、深層に行けば行くほど意識の核に近づく…。ふむふむ。

ルール無用の型破りな場面展開が楽しい。爆破に雪山、無重力、カーアクション、その他諸々。映像表現の可能性を探るために、舞台を夢にしたんじゃないかとさえ思う。映画館で見たら圧巻だったろう。

エゴイストな主人公にはあまり感情移入できず。
「子どもに会いたい」という意識も、親の愛情というより、自分が夢の世界に取り憑かれない為のストッパーの意味合いを強く感じる。夢をそれと認識する為のトーテムそのもの。

甘い幸福を求め続けるのは、決して悪いことじゃない。目の前の実情を一度疑ってしまったら、戻れなくなるのもなんとなく分かる。けど、夢を甘く感じるのも、不満足な現実を生きてこそでは?


ものすごく濃く凝縮されたエンタメで、あの、車が着水するシーンの時間感覚を味わった。これだけのことが2時間半の間に…!っていう。
ジョセフ・ゴードン・レヴィット、素敵です。
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