灯

インセプションの灯のネタバレレビュー・内容・結末

インセプション(2010年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


ただのメモ書き

この映画は凄い。
複雑な世界設定を視聴者に理解させなければならないが、それがすんなり理解できるような展開だった。
この世界の理解には困らなかった。
妻が現実世界に戻りたくなくなってしまったから、「いつまでも2人は一緒。死んだら現実の世界に戻れる。」というインセプションを植え付け、2人で現実世界に戻ることを達成するが、現実に戻っても、「死んだら現実に戻れる」というインセプションが妻からは消えず、現実世界で自殺をしてしまう。これは夢の世界で何十年も過ごし歳も取ったが、現実世界に戻るとからだは若いままで心だけが年老いているというアンバランスな状態に陥っていたことも原因だと考えられる。正常な判断が出来ないほどに夢と現実の境目がわからなくなっていた。
ラスト。トーテムにより現実か夢か分からないぎりぎりのところで映画は終わった。
監督は、主人公がもうコマを気にしなくなった、見ていないことに意味がある、という言葉を発したそうだが、少し納得がいかない。
どうしても現実に戻りたくて、夢に留まりたい妻にインセプションするくらい現実にこだわっているのに、最後自分が子供と出会えたら、これが現実じゃなくてもいい、と思うようになるのか、?
これは妻と主人公が虚無の世界で最後に話したシーンから何か分かるのかもしれない。
でも2時間半のこの映画を見た後にもう一度該当箇所を見直す元気は残っていないので、もう少し日が経ってからまた見直そうと思う。

ここまで、世界を創り出した上での映画は初めて見た。というか、あまりにも作りこんだ世界の中で、自分自身が感情移入ができて、その世界に没入できたのは初めてだ。
脚本や場面の転換が凄く良かったんだと思う。一切無駄がなく、純粋に楽しめた。

監督が伝えたかったこととして、

ノーランが訴えたかったのは、現実なのか夢の世界なのかという「自分の居場所」が重要なのではなく、「自分が何をしたいのか」という根源的な自己欲求こそが大切なのだ、ということだろう。
それはロバートが、相続する「会社」という場所に対して安易に自分を位置づけるのではなく、まず自分が何をしたいのかを自己決定させるという、『インセプション』のメインプロットにも通じている。
複雑怪奇なストーリーに周到に隠されたアツいメッセージ。あなた自身も知らず知らずのうちに、その想いが「インセプション」されているかもしれない。

こう書いてあるまとめ記事があった。
とても面白い。
まじで面白い。
また見て、考察を深めたい。
特に最後の夫婦の会話は本当に重要だと思うので、意識してみたい。

サイトーのことはあんまりわかんなかった。
ん??っていう、分かりそうで分からない感じがあった。

夢に階層があることは、最初の段階で、あ!これも夢なんだ?!って視聴者に気づかせる描写があったからだと思う。
これも視聴者へのインセプションになっていると思ったら面白い。本当に凄い。

妻が虚無の世界で生きていこうと、コマを金庫に入れ見ないようにした、から主人公はこれではいけない、と現実に戻らせた。
虚無の世界で妻に別れを告げる時、もう十分だ。というセリフにあるように、妻のいる夢の世界と決別したと考えられる。
現実を見ると決断したと考えられる。

なのに最後コマを見ていない、?
これはイコール現実を見ていないということにならないか、?
現実をみると決めたのに、子供を目の前にすると、それが吹き飛んで、この世界でいいんだ。と決めたのか?

コンドーが銃に手をかける。主人公現実世界で目覚める。でもそこから共に夢を造り上げた人々の中で、誰とも会話していない。コンドーは夢の世界で年老いてしまっていたというかなり大きなことがあったのに、目覚めたら何も無かったように携帯を触り始める。
やっぱりこれが現実かどうか曖昧なラインを上手く攻めてると思うから、これは狙って、そう描いてる。
これは現実か?と確かめようとした上で、子供の顔をやっと見れた、らコマを見なくなった。

まとめ記事の人が言うように、自分の居場所ではなく、自分が何をしたいか、ということを伝えたい映画なのだとしたら、妻が虚無の世界に居たいと願ったことを潰した主人公は何なんだ?
子供がいる世界に居たいと願ってコマを見なかった主人公は、妻と同じことをしていることになるのではと思う。

ラストのカットは、これが現実か夢かなのではなく、現実か夢かを気にしていない主人公。を描きたかったというのは監督の言葉で確定している。
んー、終わり方が現実逃避なのでは…。

てかコンドーがよく分からん。
コイツのせいで飛行機(現実世界と考えられるもの)で起きた主人公が現実世界にいるのかまだ夢なのかよく分からんくなってる。
設計士(女学生)は主人公の過去を全て、夢の世界に入る前に聞いている。あの子が主人公のことを思って夢を1段階多く創った?
女学生が夢の世界で生きることに賛成していたかどうかを知る必要があるなぁ。。
でもそこまで複雑な夢を創るのは難しそうだしなぁ。。。
監督は20年かけてこれを創ったそうだから、きっとなにか全てが繋がる答えがあるはず。
私自身も時間をかけてゆっくり考察していきたい。

少し時間が経って考えたのだが、最後に現実逃避を選んだ主人公も、ある意味とても人間味があるのかもしれない。
現実は単純なものではない。
灯