エンポリオ

インセプションのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

インセプション(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

文句なしの一作。
色々な視点があるだろうし、可能性として(個人的な感触からすると、あり得ないと断言できてしまうほどだったのだが)賛否が分かれることも考えられなくはないような匂いもする。
圧倒的な映像と繊細なストーリー性を手に、観る者に迫ってくるシュルレアリズムの作品世界。当の本人でさえ止めることの出来ない人間の想像世界を辿る過程で、非常に良く出来たSFを体全体に直接流し込まれているような。
現実の世界なら当然、またたとえそれがイメージや想像の世界であったとしても(結果的に錯誤状態にあるために断定は出来ない)余りにも現実離れした状態に心身を置かれると現実と虚構の間に引かれる線が歪み曖昧になってしまう。様々な文学作品にも見られるこのような物語の基盤が、人間が最大限に想像力を活用するはずの文学というものをいとも簡単に越えていってしまうとはなかなか皮肉だと感じざるを得なかった。
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