夢がテーマになっている映画で印象深いのはトータル・リコールだ。作中では明確に語られない衝撃の結末に、初めての視聴から10数年を得て知って驚愕したものだ。
夢がテーマの作品は複雑、難解、そして必ずあるのがこれは現実なのかそれとも夢なのかという問いである。この問いはハッピーエンドを急転直下でバッドエンドに叩き出す。
ではこの映画の結末はどうか。ダイナミックな描写、複雑な設定、主人公の奮闘はすべてここに繋がる。おそらく最後の数秒間視聴者は息を飲むだろう。幸せになって欲しいと願いながら、あっと口から思わず声がでてしまうラストだ。
バットマンといいクリストファー・ノーラン監督は全体的にレベルが高いが、特にラストの描きかたが本当に素晴らしい。