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祖谷物語 -おくのひと-のAkihndのレビュー・感想・評価

祖谷物語 -おくのひと-(2013年製作の映画)
4.1
現実と虚構の狭間、あるいは突然訪れる過酷な現実とそこに至る一瞬をここまで鮮やかに映し出した作品は珍しい。
約3時間の映画であるが、その長さと寄り添うように流れるカメラのリズムに心奪われ、あたかもその場に居合わせたような感覚に陥る。そしてどっぷりこの映画の世界に入り込んだ刹那に立ち現れる実に映画的なシーンには恐ろしく心を射抜かれた。そこからラストに至る一連のファンタジーに得体の知れない奇妙さとグロテスクな好奇心を掻き立てられる。
エドワードヤンのクーリンチェ少年殺人事件を見たときの不思議な感覚に似た胸騒ぎを覚えた。
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