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アクト・オブ・キリングのponのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
3.9
1965年インドネシアで、軍と共産党の権力闘争の結果、共産主義者が国中で民兵に抹殺されるという悲惨な事件が起こった。この事件を殺人者側(国の英雄側)の視点から、再現VTRを作るという、普通では考えられないような作品。

有村昆がノブロックTVにて紹介していて、気になっていたところに、アマプラで発見したので鑑賞。

ドキュメンタリー映画の良し悪し。何をもってしてつけるか毎度悩みどころですが、今回はインドネシアという国にある価値観に疑問を投げかけ、一人でもそれを変えるきっかけになった作品というところを評価ですかね。

数えられないくらい多くの人を無惨な方法で殺し、その殺し方を笑いながら話したり、『歯向かって来る人がいないのではない。歯向かうことが出来ないのだ。もし向かってきたら抹殺する』とかテレビで平気で言って、それを皆が拍手する構図…狂気でしかないですね。

プロパガンダにより民衆のマインドがコントロールされ、共産主義を国から排除する=自分や家族を守る。ひいては国を守るという大義の為になら、当然納得は出来ないけど、理解は出来なくはない。ただ、その考え方が正しかったとされ、現代においても賞賛されるのは…。

被害者側がこの映画を見たら、正直憎しみしか湧かないんじゃなかろうか。今更後悔、懺悔って、ふざけるなよって自分なら思っちゃいますね。
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