eikotomizawa

アクト・オブ・キリングのeikotomizawaのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
4.6
アクト・オブ・キリングの凄まじさが尾を引いている。体制側から太鼓判をもらうことで、老いらくまで無邪気な正義を確信して、過去に四桁を越える人々を嬲り殺してきたことは彼にとって公然としたトロフィだったのに、いざ被害者役を演じてみた途端、罪の意識がシミのように広がり始めて、オセロがひっくり返ったかのように崩れ落ちていく加害者。

自身で監修した映画のなかではあまりにも滑稽で大根役者の殺人者なのに、ラストはどんなに演技の立つ役者でも到達できそうもない恐慌のきたす様に、こちらまで烈しく狼狽する。
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