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そして泥船はゆくのAのレビュー・感想・評価

そして泥船はゆく(2013年製作の映画)
4.8
シアターギルドにて。渡辺監督のトーク、撮影秘話を聞けてとっても面白かった。長編映画を作るにあたり、舞台などで仕事をしたり、よく飲みに行ったりしていたKEEさんを主演にすることを決め、当て書きをしたそう。めちゃくちゃハマり役で、コミカルな掛け合いが最高!!監督ありがとうございます。こういう役、もっとみたい。

実家にいるときの抜け出せない倦怠感とか、テレビみてだらだらしてお菓子食べるしかやることないし出来ない感じすごい分かる。

おばあちゃんとタカシ(KEEさん)の掛け合いがほんわかして可愛くて癒されまくりだった。おばあちゃんは監督の実際のお祖母様で、そこに座ってるだけで良いよとお願いしたものの、ついつい会話に入っていったらしい。タカシにジャーキーを投げつけたユカに「食べ物を投げるなんて」としばらく怒りが沈まなかったおばあちゃんを、KEEさんが上手くなだめてくれたそう。

タカシの友人がびっくりするくらい優しい。怒ったタカシがボーリング場を飛び出して「俺の前で息するな」って言っても、「どうやって帰るの?車で送るよー」って言う人の良さ。タカシの人柄をちゃんと理解してて、あんな友達がいるだけで、タカシはめちゃくちゃ幸せだと思う。ハンカチを売りつけに家に押しかけてくる新興宗教信者との会話も、とても好きなシーン。タカシから溢れ出る自信とか自我に憧れさえする。

DVD化の予定はないようなので、また上映されたら見に行きたい!何回でも見たい作品。
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