菩薩

そして泥船はゆくの菩薩のレビュー・感想・評価

そして泥船はゆく(2013年製作の映画)
2.5
よく言えば『ブロークン・フラワーズ』っぽかったり『コーヒー&シガレッツ』ぽかったりして、ジャームッ臭を感じ取れと言われれば粘膜ぶち破るくらいの勢いで鼻息吸えば微かに感じ取れ無い事もないが、にしたって渋川清彦におんぶに抱っこで、完全にKEEさんだからこそ成立している作品であり、他に褒めるとこと言えば婆ちゃんがあまりに「素」過ぎるってとこくらいで、後はまぁ個人的に好きだからおまけしてピラルクは良しとするが…。そりゃ俺だって娯楽と言えばパチンコ・カラオケ・ボーリングくらいしかない街で大きくなったし、夜中の1時過ぎに「なんか面白い事ねぇかなぁ」と口ずさみながら夜の街でガソリンの浪費をした経験くらいはあるが、本人達が「つまんねぇ」って言ってるんだから観てるこっちが面白いはずも無く…。それでも一部・二部のダラダラ・グダグダのミニマルが続けばまだツッコミようもあるが、レポートの提出期限間近の学生が文字数足らないからと無駄に取ってつけた様な意味の分からない宇宙人とか出てくる三部のぶっ飛ばし方が本当に酷すぎて、あれを「ウケる〜」なんて褒めてしまうのは鑑賞者として正しい姿勢では無いような気がする。まぁとにもかくにも渋川清彦、36歳バツイチ無職を演じるKEEさんは完全にどハマりしているし、タバコの吸い方・飯の食い方・酒の飲み方・笑い方・怒り方全てにおいて魅力的だし、ブラット・ピットを「ブラッピ」と略す感じですらクールでしか無い、渋川清彦ファンなら充分楽しめる作品ではある。
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