のんchan

バーフライののんchanのレビュー・感想・評価

バーフライ(1987年製作の映画)
4.2
チャールズ・ブコウスキーの映画脚本デビュー作❗️
ご本人カメオ出演しています💫

ブコウスキーを大好きなバーベット・シュローダー監督が、映画嫌いなブコウスキーに直接懇願して了承されたものの、資金難の問題で暗礁に乗り上げたりを繰り返し、7年の歳月を費やし制作した貴重品⭐️

撮影はロビー・ミューラーが良い仕事してます。

ブコウスキーは特典映像で語っていて、自身の24歳頃の3日間にあった事実を描いているのだそう。


主役は当時34歳の脂の乗っているミッキー・ローク。ブコウスキーに成り切りながらも、真似しているのでなくロークらしいオリジナリティを出している。リハーサルを嫌い、ほぼほぼ一発撮り。ロークのアイディアが活きていた。

ヒロインは45歳のフェイ・ダナウェイ、美しいです✨
当時は人気が下火の頃で、この作品でハリウッドでの再燃にかけていたらしく演技はとても魅力的です。アバズレだけど、どこか一本気で頼れそうでもあり可愛くもあり。


『刑務所に12回、マーラーとモーツァルトのファン。ダンスはできない。映画嫌い。アボカドとショーペンハウアーが大好き』
というのは、才能がありながらも感性が鋭すぎて俗世間に馴染めず埋もれている作家のヘンリー。
ロスの場末のバーで飲んだくれ、喧嘩する日々。身体は酒太り気味、喧嘩の傷が絶えず、まぁ〜汚ったない装いで臭ってきそう。

そんな時、あるバーで人生に幻滅しているワンダに出会う。
ワンダは年寄りのパトロンから金を貰って繋いでいた。
2人は愛に無縁だったが、なにか通じ合うものを感じ、傷付け合いながらも強く惹かれていく...

特別に何も起きないけど、良心的なバーテンとヘンリーの友情に泣けるし、喧嘩っ早いバーテン(スタローンの弟)との喧嘩を、バーの常連たち(ロケ地アパートの素人の住人たち)に見守られながら、コメディチックな笑いを挿入し、人間って関わり合って生きるんだよねっていう、何か切なくも温かくなる不思議な引力のある作品。

ブコウスキー自身、欲がなく、金持ち嫌いで、人情がある憎めない人間。そのまんまの世界観を覗ける、どうにも魅力的な作品になっていた🌟
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