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さよなら、アドルフのRandBのレビュー・感想・評価

さよなら、アドルフ(2012年製作の映画)
4.2
『ブラック・ウィドウ』の予習としてケイト・ショートランド監督作だったので鑑賞。

時は第二次世界大戦末期。
時代の波に襲われ、両親から離れ、過酷な世界を生きることになった4人姉弟。
ナチス側で生まれた彼らは、旅先でユダヤ人青年と出会い……。

戦争の末期から終戦後にいたる地獄の様な惨状を旅する悪夢のようなロードムービー。

『ブラック・ウィドウ』主演のスカーレット・ヨハンソンさんは、本作に感銘を受け、ケイト・ショートランド監督のオファーに繋がったという逸話もある作品。

富裕層だったナチスの子供たちが、一気に貧困層へ転落するという筋書きが珍しく、ユダヤ人を差別する主人公という描写も新鮮だった。

正直、鑑賞中は、その悲惨さに、かなりフラストレーションが溜まる作品ではあったが、落とし所が素晴らしく、後からじわじわと噛み締めたくなる作品。

『火垂るの墓』のような体験を経て、貧富の差・格差社会への視点が反転する内容が、自分の生活にも跳ね返ってくるようだった。

<<エログロおバカメーター>>
エロ ☆×3.0
グロ ☆×4.0
バカ ☆×0.0

・エロポイント
監督の前作に続き、登場人物のヌードシーンや男性に性的に搾取される女性の描写(冒頭の父娘の場面や池の近くにいた中年男性の描写)などがあった。
ただ、監督が描くヌードは、「人間が本来の姿であること」、「自然であること」を強調した演出にも感じた。

・グロポイント
局部が血だらけになって倒れている女性、目が腐食してしまった男性……。言葉にするだけでも、辛くなるような描写が多く、鑑賞するには、かなりの覚悟が必要だと思う。
しかし、本作を観ることで、戦争の悲惨な光景、人間の禍々しさを叩きつけられたので、観たことで自分の視野が広がった。
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