となりのデルトロ

ホドロフスキーのDUNEのとなりのデルトロのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.0
カルト映画「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」で有名なホドロフスキーの未完の超大作「DUNE」についてのドキュメンタリー
もうとにかくホドロフスキー監督が超キュート。とても84歳とは思えない若々しさで、喜怒哀楽めっちゃ激しくて、人間力が半端ない
そりゃ集まるよな~

メビウス
ピンク・フロイド
ダリ
オーソン・ウェルズ
ミック・ジャガー
ギーガー
ダン・オバノン
といった20世紀の超偉大かつ有名なアーティストたちが!
彼らが魅了されたのも納得、超のつくカリスマ性の持ち主がホドロフスキーなのだ

彼ら「魂の戦士」たちをどう集めるか
この仲間集めのシーンが本作の一番の見どころ
「2001年宇宙の旅」の映像作りあげたトランブルは技術だけで魂の次元低いので失格!
いまいちやる気起こさないピンク・フロイドには「世界の歴史を変える最も重要な映画について話してるんだぞ。それなのにビッグ・マックなんか食いやがって!」
とぶち切れ!でもそれがきっかけでフロイドも参加を決意
最も面白いのはダリ。
20世紀でも屈指の癖のある人物であるダリをホドロフスキーとプロデューサーがどう説き伏せたのか?
この辺のやりとりは面白過ぎ

あと映画が挫折して、代わりにリンチが「DUNE」を映画化した時のホドロフスキーのリアクションも最高!

僕は才能ある人を見るのがとにかく好きなのだが、才能は才能と化学反応を起こし、さらに限界を超えることがある
もうこの現場が羨ましくて仕方なかった。
どんだけスリリングな現場だったんだろう。
その一旦を見れただけでも満足だけど、その分それが中止された時のショックも凄まじかったんだろうな、と
しかし「DUNE」は未完なのに、いや未完だからこそ世界の映画に大きな影響を与えていくことになる

ジブリを描いたドキュメンタリー「夢と狂気の王国」と並ぶジジイ萌え映画の傑作
あっちも「誰と仕事するのか?」が大きなテーマになってた
才能ある連中と仕事するほどスリリングで面白いことはこの世にないのだ
あー羨ましい・・。