「他人に意見されて変えてるようじゃだめだ。
私が夢見た映像を一切の妥協なく作る。」
と語るホドロフスキーの目は未だに野心に満ちている。
総額2000億ドル超えの超大作映画を完成させようとはらわれた様々な努力。
「脚本に加えて各シーンごとの画角や内定している役者、予定コマ数まで提示して、映画会社を安心させようとしたが、ダメだった。」
彼らは投資家などがほとんどで、売れる要素や流行りの要素を求めた。加えて、大きい実績のないホドロフスキーが監督することに反対した。
12時間超えの大作のため、大こけしたかもしれないが、この映画が実現していたら・・と妄想を膨らませずにはいられない。
集まったメンバー(劇中では戦士と呼んでいた)
SF界のレジェンドオーソン・ウェルズ
ロック界のスターミック・ジャガー
アートの帝王サルバトール・ダリ
プログレ界の王ピンクフロイド
と錚々たる面々。
伝説と呼ぶにふさわしいメンバー。
彼らが奏でた映画はどんなだったのだろう。
スターウォーズを超えたか超えてないかはもはや不要な議論で、間違いなく人類の財産と呼ぶにふさわしい作品が出来上がっただろう。
1人の独裁者的為政者(皇帝や王様)がいた時代であれば、儲かる儲からないを脱した判断ができたのだろうか?
興味は尽きない。
それと同時にいくつになってもニッコニコに映画を語るホドロフスキーに刺激を受けた。映画を作るとはかくありなん。
こだわりこだわりぬき、諦めることなく人選をして、当人と交渉し、ひとつひとつのカットを練り上げていく。
映画で本気で世界を変えようとした男たちの熱き未完の物語。
ホドロフスキーのDUNE。