はぐれ

北(ノルテ)―歴史の終わりのはぐれのレビュー・感想・評価

4.1
『立ち去った女』でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を獲ったフィリピンの怪物作家ラヴ・ディアスの作品。彼の作品は映画祭でしか見れなかったりするから配信されているのは本当に貴重!

物語は『罪と罰』を下敷きにした現代フィリピン史。冤罪の濡れ衣を着せられた男が塀の中で心の平穏を見つけるのに対して、連続殺人の真犯人である学生が罪の意識に苛まわれて壊れていく。え?ディアスってそんな甘い理想論を振りかざすロマンティストだったっけ?って思って見ていると見事に裏切られる。そうだよな。もっと人生に絶望しているよな!ってなぜか安心してしまった(笑)

そうなってしまう背景にはやはりキリスト教的な受難に対する一種の憧れとその信仰に対する懐疑的な眼差しがあるような気がする。神は救いの手を差し伸べることはしないが、唐突に命は奪う。神というか死神はいつも気まぐれだ。そんな踏んだり蹴ったりの主人公に対してさすがに気の毒に思ったのか最後には超常現象的な救いの手を差し伸べる演出が唐突で笑いを誘う(笑)いや、アピチャッポンへの憧れが出てしもうてるやん!😂

法大生の何の生産性もないただ知識をひけらかすだけの井戸端ディスカッションむかつくわー!(笑)
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