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トム・アット・ザ・ファームのkureaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

私は途中までちょっと退屈に感じた。
だけど不穏な空気が漂ってて
どこかゾワゾワするような
嫌な空気感。
私ならあんなとこいれない。
どうにかしてすぐ逃げたい無理。
誰の立場にもなれないし
それぞれの感情も
分かるようで分かりづらい。
解釈が難しい。
感想ごちゃごちゃだけど
閉塞感満載で縛りのある
田舎ならではな田舎。
強い喪失感と歪んだ愛情。
お兄さんに言われて
つき続けることになる嘘。
だけどそのお兄さんも
母親による支配を受けていて
本当はそれから逃げたい。
それがタンゴの時明らかになって
その感情もタンゴによって爆発する。
あのタンゴのシーンだけ
なんか綺麗だな〜って思った。
トムもトムで死んだ恋人と
同じ匂いのするお兄さんに
だんだんどこか惹かれたり。
そこがなんとなく
冒頭の"君の代わりを見つける"の
死んだ彼の代わりに彼を
同じ匂いのするお兄さんで
首を絞められている時に
感じていたのかなとか思った。
そういえば
あのお母さんも帰らぬ息子の代わりに
トムを息子のように家に迎え入れて
しばらくいてとか言ってたしね。
それもトムが息子の代わりだったのかな。
でもお兄さんが出禁のバーで
彼の過去を知って
最終的には今度こそ脱出。
それでもどこか残る何か。
いろいろと苦しい映画だった。
また観たいとは思えないけど
良作でよくできてるな。

あと個人的に
ラストの青信号に変わって終わる
あの終わり方なんか好きです。
あの後人によっては
トムはあのお兄さんのところへ
戻ってしまう気がすると言ってる人も
いたようだけど
私は戻りもしなければ
帰りもしない気がした。
戻ったってやっと脱出したのに
また暴力を振るわれ続ける日を
過ごすことになるし
お兄さんが彼の代わりにならないから
脱出したんだと思ったから。
分からないけどね。
けどだからと言って彼に帰る場所もない。
どこに行くとかって訳じゃないけど
君の代わりを見つけるために
新しい場所へ向かって行きそう。
確信も自身もないけど
私はそんな気がした。
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