スイ

トム・アット・ザ・ファームのスイのレビュー・感想・評価

4.5
ある時、恋人を亡くし孤独になった男とその恋人の家族の歪んだ愛の物語。
いやー、なんて歪な映画なのだろうか。
人は誰かを求めなちゃ生きていけない。が正しくその通りの映画だと思う。
孤独だからこそ惹かれた結果なんだろうなあ。
綺麗な田舎風景と裏腹にずっと不穏な雰囲気が奏でていて音楽と相まって好きです。
この後の監督の作品の「Mammy」もそうなんですけど、愛と憎しみは表裏一体というか紙一重というか、そういう事が感じられる。
この映画、カナダの戯曲原作なんですけど今までの演劇原作見てたやつってやっぱり言葉遊びというか会話劇が多いイメージだったけどこれは雰囲気や個人的にドラン監督らしさというか、この監督って視聴者に如何見るか考える表現される感じが私はあってそれも相まって戯曲原作って聞いてびっくりしました。
本編観た後、DVDだったのでドラン監督のインタビューがあったので見ると、凄く納得出来て理解力上がるので是非ともそれ含めてみてほしい。
監督がこの二人はストックホルム症候群の関係性だって言っててあー確かにってなった。
後半のトムが正しくそうなんですよね。
もしあの車から出てなくてフランシスが過去にやった事聞いてなかったら、もし次の日どっちかが居たら、トムはあの家から抜け出さなかったかも…。あとフランシスが最後の言葉をタンゴや外でビール飲んでる時に言ってたら…とか考える。
でもあのラスト、戻ってきているけどハンドル握りながら考えて終わるってなるのでこの後帰ったのか、はたまた戻ったのかとか考えちゃうなあ…。
そこ含めて私は好きです。
タンゴのシーンと首絞めのシーンが一番好きかも…。
首絞めのシーン、普段なら胸が痛くなるんだけどこの映画のこのシーンはなんて官能的に表現されているのか…。
あと個人的にびっくりしたんですけど、終わった後公式サイト行ってキャスト見たらバーのマスタードラン監督のお父さんなんですね!
俳優なのは知ってたけどまさかの親子共演びっくりした!
スイ

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