Hagieen

激戦 ハート・オブ・ファイトのHagieenのレビュー・感想・評価

3.7
ダンテ・ラム監督、ニック・チョン、エディ・ポン主演。

父親の借金を背負わされた元御曹司のスーチー、いかさまで身を落とし、借金取りに追われるファイ、ある事故がきっかけで心を病むクアン。
傷ついた人生の中で、再起していく姿を描く。

総合格闘技をテーマにした映画って実はあまり無い気がする。
おそらく様々なテクニックを描く必要があり、役者への負担も大きいからだと思う。
爽やか好青年役の多いエディ・ポンだったが、今作あたりから肉体派アクションが増えていっている。背も高く手足が長いのでアクション映えがする。台湾時代の映画やドラマからエディ・ポンを観てた自分としては、ここまで肉体派となるとは思っていなかったw

そしてニック・チョン。
変幻自在なカメレオン俳優だと思っていて、どこか傷付いた役をやらせると天下一品。さらに狂気を孕んだ役なんかはハマりどころ。
本作ではその日暮らしの落ちぶれたオッサンを好演w
もっとコミカルにしても良かった気もするが、どこかギラギラした狂気を孕んだ目つきで「この人、なにしでかすんだろう…」と目が離せない。
エディ・ポン以上に肉体改造していき「あんたもやるんかい!」という展開は驚きw
クアンの娘・シウタンとのエピソードも心温まる。こういった硬軟できるのがニック・チョンの魅力なんだよね。

総合格闘技のアクションの見せ方は流石の香港映画。
ガード、パリー、スウェイ、ダッギング、関節の取り方など、細かいカット割りながら全てが必要なカットで、役者のアクションの意味がきちんと分かる。
よくある、ただ細かくカット繋いで激しくカメラ揺らしておけばいいだろ的なアクション映画にはイライラするし閉口する。
本作は観ていて臨場感もアリ、ただただ気持ちが入っていくのが素晴らしい。さすが香港映画だよなぁ。

昔、香港旅行に行った際に日本のK-1が中継されていて、街頭でのTV中継をみんな食い入るように観てたので、香港の人は格闘好き(本作舞台はマカオだけど)という印象を持ってます。観客の目線も厳しいから映画も洗練されるよね。

今回、#香港映画見ようね会 復活ということで再レビュー。
あらためて観たら、ワン・バオチャンも冒頭でカメオ出演してたのね。
イケメンじゃないがw、コメディもできるしアクションもスゴイのよね、この人。

過去レビューは以下。

ニック・チョン、エディ・ポン、ダンテ・ラムと言えば観ざるを得ない。 香港でブルーレイ買っていたのですが、まだ観ていないうちに日本公開したので、劇場で観ました。役者の肉体改造がスゴイ。
でもマカオであんなことやってんのかなぁ・・・まぁ香港人は総合格闘好きだよね。
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