ねこのみかた

ゼロ・アワーのねこのみかたのネタバレレビュー・内容・結末

ゼロ・アワー(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

以前観たベネズエラ映画『マザー・ハウス』と『黙して契れ』が面白かったからこれもちょっと観てみるか〜というノリでそれほど期待せずに観たんだけど、すごく面白くて「やっぱりベネズエラやるな!」って感じ。
これらの映画は最後にかならずオチがあるのが特徴なんだけど、そのオチがまた素晴らしい。
関心するほどよくできてる。

これもラストがすごくよかった。

最初のほうは、暴力で従わせようという姿勢が気に食わなかったんだけど、観てるうちに、そもそもはベネズエラの貧富の差や政治不安が根底にあるんだということがわかってきて、もう何が悪で何が善なのかわからなくなってきたわ。

ただまぁ、どんなに貧しくてもまともに生きてる人もいるわけで、盗みや人殺しをしていいということにはならないし、この映画でも最後はちゃんと悪人が制裁を受ける形で終わってるので、そういうところもうまくできてるのかなぁと思う。

まさにこのラストは因果応報。
切ないけど、仕方ないのかな。

キャラクターの使い方もいい。
貧困層と富裕層の対比とか、政治家など権力を持った人間の汚さとか、不幸な出来事さえネタにしてスクープを撮ろうとする報道関係者とか、純粋に人のために働くことの難しさを見せてくれた医者とか、どのキャラクターにも意味があって、いらないものがないくらい存在感があった。

こういう社会情勢を反映させた映画って、ほんと胸に響く。
テンポもいいし、ストーリー展開もいいし、これはかなりの儲けものだった。

あと、ディエゴ・ルナとフェレ・マルティネスを足して2で割ったような顔の若いお医者さんがカッコよかった!
エリック・ウィルドプレットっていうのね…うん、覚えられないね…!